おごそかだった。

hayatonooyaji2005-02-12

ハヤトよ、
マリちゃんのお父さんの結婚式は、とても、おごそかだった。
僕は若い頃からずっと一緒だったんだよ。マリちゃんのお父さんと。
ハヤトよ、うん、君にとってみればカズみたいな存在だった人なんだよ。
シアワセそうだった。腹の底からシアワセそうだった。僕も腹の底からシアワセだったぜ。人間は皆、シアワセになるために生まれてきたんだ。
たった9人でお祝いをした。おめでとうってみんなが泣いた。僕も泣いた。
ハヤトよう、君のお父さんも、マリちゃんのお父さんも悪ガキだった。
でも、ね、大切なことは何か。今、とてもよくわかるんだよ。
僕も、とても好きな女の子が出来て、結婚した。可愛かったんだぜ。君のお母さんは。
そしてお姉ちゃんが生まれ、君が生まれた。僕は君たちが大好きなんだ。
マリちゃんのお父さんは悲しい事があった。
でも、また、とても好きな女の子が出来て、今日、結婚した。可愛かったぜ、マリちゃんの新しいお母さんは。
ハヤトよう、君のお姉ちゃんがお嫁さんになる日、僕はきっと泣いて暴れるだろう。たくましい男になっているだろう君が、僕の事を羽交い絞めにして止めてくれ。頼んだぜ。
うん。そして君が可愛いお嫁さんを連れてきたら、・・・たぶん、その日も僕は泣くだろうな。な、シアワセっていいだろう?
人間は皆、シアワセになるために生まれてきたんだ。