野球が豊かでありますように・・・。
野球が豊かでありますように・・・。
少年たちの野球が豊かでありますように・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自衛隊員のお父さんがイラクへ行った・・・。
そうさ、君のお父さんはね、イラクの子供たちを助けてあげるために出掛けたんだね・・・。
だから君は泣かなかった・・・。
本当は泣きたかったんだけれど・・・。
「イラクの子供たちは野球を知っているだろうか?」って、君のお父さんは言った・・・。
そうだね、いつの日か、イラクの子供たちと野球が出来るといいね。。。、
まだ4年生だった君はずっと、毎日、お父さんのグローブを磨いていた・・・。
「お母さんと妹は僕が守る・・・。」って言いながら・・・。
君はなんて強い野球少年なのだろう・・・。
君は6年生になった・・・。
今、大好きなお父さんと一緒に野球をしている・・・。
がんばれ!がんばれ!
君の野球の物語がさ、キラキラと輝いている・・・。
ああ、大丈夫さ、オジサンには見えるぞ!
優しそうな顔をしたお父さんだね・・・。
とってもとっても愛しそうにグローブを持ってるね・・・。
君が毎日磨いていたグローブ・・・。
君は、主人公さ・・・。
君の野球の物語・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とってもとっても大きな怪我をした・・・。
二度と野球が出来ないんじゃないだろうか?って、多くの人が言っていたんだったね・・・。
でもね、君の心の中にはずっと、カキーン!って音が聞こえていたんだよね・・・。
君のお父さんやお母さんが話してくれる君の様子は、
いつもいつもオジサンの心をキュッと苦しくしていた・・・。
君も今、そう、6年生になった・・・。
マウンドの上でね、君が胸を張る姿を想像する・・・。
ゴメン、オジサンはきっと、真っ直ぐに君の姿を見られないだろうと思う・・・。
たぶん、涙が出ちゃうだろうと思う・・・。
君は強い・・・。
僕が知る野球少年たちの中でね、君は一番強い・・・。
たくさんたくさん試合をしているらしい。
おお!そうか、勝った?負けた?
・・・、そうだね、そんな事はどっちでもいい・・・。
野球の好きな子供たちは輝いていただろうか?
キラキラと輝いていただろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
野球は豊かだよ。
子供たちの野球は豊かだよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
野球ってさ、すごい・・・。
誰かの痛みを知ったりもする・・・。
誰かのヨロコビを分かち合えたりもする・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カキーン!
その音が真っ直ぐに届く人たちだけに向けて、
きっと野球の神様は微笑む・・・。