15の夜。
今、ハヤトのイントネーションが変化した・・・。
夕餉の折、家族で話していると時々、あれれ?って表情を本人も浮かべるんだ・・・。
ハヤトよ、それ、栃木の人のイントネーションだぞ・・・。
栃木弁ってね、本当に優しくて暖かい言葉だと僕は思う・・・。
そう、沖縄でハヤトは、栃木ポニーのリョウスケくんと同室だった。
二晩にわたり、たくさんたくさん語り合ったのだそうだ・・・。
そう言いながらハヤトはとても、うれしそうな顔をする・・・。
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たぶん彼らはね、
野球のこと、学校のこと、友達のこと、それからそれから夢のこと・・・、
きっと日に焼けた顔を、枕元の小さな明かりに浮かび上がらせながら語り続けたことだろう・・・。
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中学3年生・・・。
誕生日が来たら15歳・・・。
そんな頃にね、真剣に仲間と一緒に語り合った夢は、
いくつになっても決して色褪せぬものだ・・・。
枕元の明かりに照らされた君たちの顔を想像しながら僕は、
とてもシアワセな気持ちになる・・・。
な?
野球ってやっぱり楽しいよな・・・。
友達が増える・・・。
どんどん増える・・・。
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結果はね、君たちにとってみれば残念だったかもしれないのだけれど、
どうだい?
素晴らしい友達が出来たじゃないか・・・。
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計り知れぬほどの大きな財産を得た・・・、
最高の経験だったのではないだろうか・・・。
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翼のカタチをしたJAPANは、
果て無き未来へと向けて飛び立ったのだ・・・。
ただひたすらに僕はそれを、
信じ抜いてあげようと今、心の中に決めたんだ・・・。
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カキーン!の音を信じて・・・。
まだ幼い小さな翼をいっぱいにひろげて飛べ・・・。
敗れざる者よ・・・。
何があろうと決して敗れざる者たちよ・・・。
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「あれれ〜っ?」
わっはっは!ハヤトよ、やっぱりそれは栃木の言葉だぞい!
リョウスケくんの影響だな・・・。
すげぇ友達が出来たじゃないか・・・。
「父さん、オレは栃木の人が好きだ・・・。」
そうだな、うん、父さんもな、栃木の人って好きさ・・・。