とある中学生の、小さな野球チームの話・・・。
僕は、違う場所で、複数の野球な親父の仲間たちから、その話を聞いた・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


どうも好漢とは言い難い監督さんのようだとは聞いていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


同地区の、同じ軟連に所属する気安さもあろう、
昨年末もまた、その監督さんは自ら小学校の校庭を訪ね、
目に止まった6年生選手へのスカウト活動に余念がなかった模様・・・。


「いい選手だねぇ〜。
 素質があるねぇ〜。
 是非、ウチのチームに入ってチョ〜ダイな・・・。
 グローブを買ってあげるからさ〜。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


これだけ様々な場所で、
様々な人たちから僕は同じ話を聞く・・・。
どうやら、それは事実らしい・・・。


少年たちの野球が、ね、
心豊かな物で在り続けますようにって願う者の一人として僕は、
それが残念でならない・・・。


その監督さんは、
ちっともカキーン!な人じゃない・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その6年生の男の子に、僕は言いたい・・・。


いいかい?
そんなグローブを貰っちゃいけないよ・・・。
そんなグローブを使っちゃいけないよ・・・。
野球の神様は、さ、ちゃんと見ているぞ・・・。


君の目でしっかりと、そのチームを確かめて、
それでも君が入りたいと思ったらね、入りなさい・・・。


グローブなんか買って貰わなくっていいからって言って入りなさい・・・。


今、君が使っているグローブを悲しませてはダメだよ・・・。
それで充分だよ、ピカピカに磨いてあげなさい・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


グローブは高い・・・。
いろいろな御家庭の事情はあるだろうから、
簡単に言う事は出来ないのだけれど、
ただ、これだけは言える・・・。


苦心して、苦労して、そして物を手に入れるヨロコビを憶えるべきだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


心豊かな中学野球を過ごせますように・・・。