虹を架ける人へ。

澄み渡った青空が綺麗だった・・・。
岐阜の、山の中にある斎場の木々の紅葉は、街中のそれと異なり濃く深いと感じた・・・。


95歳の祖母の葬儀は、賑やかであった。


〜遠くの親戚より近くの他人〜
まったくそれは、よく言ったものだと感心する。
この自然豊かなる山の中にあった祖母の日常を僕は、
告別式に参列くださった多くの同じ集落の方々の表情から偲ぶ事が出来た・・・。


ありがたい事である・・・。
お清めの席で、集落の方々が唱える般若心経の中の、
ギャテイ・ギャーテイ(さあ、みんなで一緒にシアワセになりましょう。の意)が深く心に沁みた・・・。
人は、けっして一人で生きる事は出来ないのだから・・・。


祖母の日常は、あたたかいものであったのだ。
そして祖母の人生は、真の意味で豊かなものであったのだ。


合掌。


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斎場を後にして僕は、本家の伯父貴の家へ戻り、荷物を自分の車に運んだ・・・。


その時、澄み渡った青空から、ぱらぱらと雨が降った。
とっても僅かな時間だったのだけれど、
ぱらぱらと輝くような雨が降った・・・。


見上げると空に虹。

綺麗な虹が出ていた。


祖母が僕に見せてくれたのではないだろうかと思う・・・。