海を見たいなと思う気持ちに似ている・・・。


そう、海を見たいなと思う気持ちにね、とてもよく似ているんだよ・・・。


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午後、コンビニまでタバコを買いに行く途中、
中学校の校庭で練習をしている野球部の様子が見えた・・・。


僕は小さな路地を曲がり、
中学校の校庭が見渡せる小さな公園まで歩いた・・・。


カキーン!の音がする・・・。
懸命に練習をする少年たちの表情は等しい・・・。
どこだって等しくキラキラと輝いている・・・。
いい表情だと僕は思うんだよ・・・。


お〜い!
がんばれがんばれ!
ちょびっとだけな、オジサンに見物させておくれ・・・。


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青い空。
白いボール。


カキーン!の音は、波の音に似てる・・・。


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人は時々、どうしようもなく海を見たくなる生き物だ。
僕もそうだ・・・。


とてつもなく大きな海を眺め波の音を聞き、
潮風を深呼吸して勇気や元気を充電するんだよ・・・。


海は広いんだよ、大きいんだよ・・・。
月は昇るしな、日は沈むんだぜ、スゴイよな・・・。


人間の小ささを思い知らされ、
けれども人間の熱さだって知る。


そこが海・・・。


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カキーン!の音が波の音に似ていると感じるのは、な、
野球のグラウンドがきっと海のような物なのだからかもしれない・・・。


わっはっは!
野球少年たちよ、しっかりと泳ぎ切れよ!


ザブーン!だ。
ザブーン!のカキーン!だ。


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中学校の野球部の少年たちの姿を見ながら僕は、
大きな海を見に行ったと同じような心持ちになったのだった・・・。


ありがとうな、野球部の選手のみんな、
君らの一人残らずから僕は、勇気と元気をもらったぞ!


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さて、と、


僕だってな、挑み続ける男でありたい・・・。