ナースなカミさんが勤務で不在の夜、
ごはんを食べながら僕と息子はテレビで歌番組を観ていた・・・。


息子は福山雅治さんの大ファンなのでな、
彼の出番をワクワクしながら待ち続けていた。


だが、僕らがごはんを食べ終える頃になっても、
なかなか福山雅治さんの順番は来なかった。


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息子は受験生ブルース・リーだ。
呑気にテレビを見続けるわけにもいかない・・・。


「父さん、悪いんだけど、雅さんの出番が来たら呼んでほしい。」
そう言って二階の自室へ向かって行った・・・。


おう!任せておけい!
息子よ・・・。


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ダダダダダ〜ッ!っと、
息子が階段を駆け下りてくる・・・。


「ヒドイ・・・、ヒドイじゃないか!父さん!」


テレビの画面は、新曲を歌い終えて満足そうな福山雅治さんの笑顔だ・・・。
やっぱり人間は笑顔が一番イイ・・・。


すまん!息子よ、
父さんはスリーピングしていました。


「ヒドイじゃないか!」


息子よ、
父さんのような人間を簡単に信用するな。
なあ、ひとつ勉強になったじゃないか。
めでたしめでたしだと言えよう。


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しかし息子よ、
そんなに福山雅治さんが好きか?


「ああ。」


父さんじゃダメか?


「ダメだっ!」