父の日に貰いたいのは物ではなく、そうさな、
息子と一緒に何処か大きな風呂に行きたいと思うのだが如何か?


遠くの名のある温泉なんかじゃなくていい・・・。
市内のスーパー銭湯でも、近所の昔ながらの銭湯でもいい・・・。
息子に背中を流してもらいたい・・・。


そんな事を考えている46歳の初夏。


もしかしたら息子の方が「侍」は立派になっていて、ショックを受けるかもしれんが構わん構わん。
息子が幼かった頃の昔のように、風呂上りの脱衣所で、
二人並んで一糸纏わぬ姿で仁王立ちして腰に手を当て、
コーヒー牛乳をグビグビと飲みたいと思うのだが如何か?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


昔々、息子がまだ1歳半位だった頃に、僕ら家族は千葉へ旅行に行った。
かんぽの宿」に泊まったのだった。


かんぽの宿」に隣接していた大きな大きな「かんぽの湯」に入った。
カミさんと愛娘は「女湯」へ、僕と息子は「男湯」へ。


思えば、それが息子と最初に入った大きなお風呂だった・・・。
懐かしいな、懐かしいな・・・。


裸になって、ほぼ赤ん坊の息子を抱っこして洗い場へ行き、
ゴシゴシと最初に息子の全身を洗った・・・。
考えてみればアイツ、シャンプーなんかも全然平気だったっけ・・・。


その後、やっと自分を洗う。
シャンプーをする時、僕は息子にこう言ったのだった。


いいか?
父ちゃんがシャンプーしている間、ジッとしてろよ、動くなよ、わかったか?って。


だが、案の定、僕がシャンプーを終えて目を開けると、息子は移動していて、
よそのオジサンの背中をペシペシと叩いていた・・・。


懐かしいな、懐かしいな、
ちっちゃくって可愛かったのにな・・・。
懐かしいな、懐かしいな、
それは、昨日の事のようでもあり、遥か昔の事のようでもある・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大きな風呂、入りてえな。
大きくなったセガレと一緒に、な。


♪大きな〜 風呂だよ〜 お・お・き・な〜 風呂だよ〜♪


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


入浴ヤンキース