仕事で使う金具類を買う。
イヤリング金具、ピアス金具、ネックレスの引き輪&プレート等・・・。
たとえ手造りの品物であってもな、金具の類はこうして揃えるのが普通・・・。


お支払いをする時の事なのだけれど、
納品伝票に僕が買った品番を書いていた事務員の女の子、ピー子ちゃんのお腹が鳴った。
キュ〜、グルグルルって鳴った。


ピー子ちゃんの顔が真っ赤になった。


ピー子ちゃんは僕の愛娘と同年代の女の子だし、
普段は物静かでおとなしいからな〜、
さぞかし恥ずかしいだろうと思うとかわいそうになった。


お腹が鳴ったんだぞ、キュ〜、グルグルルって・・・。
グググ、じゃなくってさ、よりによってキュ〜、グルグルルだぞ、
キュ〜、グルグルルだ・・・。
僕は、はっきりとこの耳で聞いたぞ・・・。
キュ〜も、グルグルルも、な。


目の前で真っ赤になっちゃっている女の子に、なあ、
父親世代の者として何かフォローの言葉を掛けてあげなければなるまい・・・。
僕は、下記の言葉をピー子ちゃんに贈った。


「仕方ないよ、お昼前の一番お腹が空く時間だもんね。
お腹が鳴るのは健康な証拠だよ。」


すると、ピー子ちゃんの顔は、もっと赤くなった。
耳の先っちょまで赤くなった・・・。


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聴こえなかったふりをしてあげるべきだった。


かわいそうなことをした。