「お父さん、オレも募金したいよ。今月号のコロコロコミック買わないから。」

昨日、風呂でも僕はハヤトには何も言わなかった。ただカミさんが話したらしい。あの男の子の話。ハヤトは泣きそうな顔をして聞いていたそうだ。

過疎、子供の数が少ないこと、きっと小学校に野球チームなんてなかっただろう、と。ユニフォームだって着たこともなかっただろう、でも、野球が好きだったんだろうね、試合とかしたかっただろうね、その男の子は。

東久留米には子供がたくさんいて、チームもたくさんあって、試合もできるんだもん、ハヤトはシアワセだよね・・・・・。

新潟は寒い所で、学校の体育館にたくさんの人が避難しているんだよ。困っている人がたくさんいるの、ハヤトにもできることがあるとママは思うんだけど・・・

そんな話をしたらしい。

ドラベース見なくていいのかよ?」
「うん、誰かに借りて読むからいいよ」

そうか・・・・。ありがとうな、誰かの痛み、わかる男になろうな。