グローブ

先週僕はある新聞の記事を切り抜いた。
新潟の地震で亡くなったあの男の子。倒壊した自宅の後片付けをしていたお父さんが彼の愛用していたグローブを見つけた話。
息子の形見になってしまったグローブを手に、お父さんは思い出を語っていた。今も昔もグローブは男の子の宝物だ。
きっと、あの男の子の夢がまだ、たくさんそのグローブには詰まっているだろう。
本当ならもっともっと、野球少年と一緒にグラウンドで活躍しただろうグローブだ。彼のお父さんの心に思いを馳せると、胸が張り裂けそうになる。
その記事を小さく折って、普段身に着ける財布の中に入れた。同じ父親として決して忘れてはいけない気持ちだと思った。
人間、いつ、何があるか解らない。だから今を大切に生きよう。子供を思いっきり抱きしめよう。
コヤドラの親父コーチはもちろん、他チームにも、いい親父の知り合いが増えた。地域はまだまだ捨てたもんじゃない。

子供の愛用のグローブを手に取って、じっと見つめてみる。なんともいえない愛しさがこみあげてくる。