僕は映画が好きだ。感動、共感、教訓、余韻。この4つの気持ちを味わいたくて映画を観ている。
本当に観たい映画は時間をやりくりして出掛ける。
近年、観てよかったなぁと思える映画は「8マイル」と「モーターサイクル・ダイアリーズ」だ。「8マイル」では、厳しい現実の壁を必死で乗り越えようともがくエミネムの姿から強さを、「モーターサイクル・ダイアリーズ」では誰かの痛みを自分の痛みとして感じてしまう若き日のチェ・ゲバラの姿から真の優しさを考えた。どちらも血の通った素晴らしい映画だった。感動、共感、教訓、余韻を充分に味わえた。
先日、家族で映画を観に行った。息子がどうしても「カンフーハッスル」を観たいと言っていたので。こども達の間でも面白いと評判らしい。
だが、ひどい映画だった。残酷な殺戮の場面をくりかえすだけの、映画ではなく、ただの映像だった。意味もなく多くの人間が、あまりにも簡単に殺される、荒んだ内容だった。娯楽映画?これが?
これを面白いとか娯楽映画だと言えるのなら、時代はやはり病んでいる。
死んだ人間が生き返ると信じている子供が増えているとニュースで言っていた。映画の中とはいえ、人間が死ぬ場面を見て笑っている子供たちがいるんだもの。病んでいる。
息子には見せるべきではなかった。・・・後悔。
命にはリセットボタンはないんだ。だから生きていることが大切なんだ。

笑い話にされてしまうけれど、僕は子供の頃、「フランダースの犬」の最終回を見て一週間泣いた男だ。
ネロとパトラッシュが寄り添い眼を閉じる。天使が降りてきて2人を連れて行く。思い出すと今でも泣きそうになる。
命はもろい、弱い、はかない。
だから生きている今を大切にするんだ。
かけがえのない・・・・・、この、かけがえのないとは命の事なんだ。
僕の命、君の命、友達の命、すべてかけがえのない物なんだ。
だから、友達を大切にするんだ。すべての人を大切にするんだ。

今度は、いい映画観ような。