ありがと、ね

hayatonooyaji2005-11-12

最初はサンドベージュだったんだ。黄色に近かった。
ハヤトのグローブ。
毎日磨いてる。なんだか職人の道具みたいな雰囲気が出てきた。
紛れもなく、野球小僧の宝物・・・・。


新垣渚投手が、野球教室で子供たちに言ってくれた言葉・・・。
「野球の道具を大切にして下さい。野球が上手な人は、みんな道具を大切にしています。
お父さんや、お母さんが買ってくれた道具です。大切にして下さい。」


野球小僧の先輩として、新垣投手は子供たちに伝えてくれた。
野球教室の中でね、技術的な事より何より、彼が教えてくれた「心」は大きい。


ハヤトのグローブ・・・。親として冥利に尽きる。
こんなにも大切に使い込んでくれてうれしい。
擦れて破れて修理にも出した。
紐も随分と補修した。


このグローブと共に、グラウンドを走る事も、残り僅か・・・・・。


「ばっち、来ーい!」
「しまっていこうー!」


そんな声が染み付いている気がしてならない、ハヤトのグローブ。
ファインプレーもあったけれど、エラーだってあった。
僕が見つめるフィールド上の、ハヤトと共にあったグローブ・・・。


このグローブを買ってあげた日の事を、今でもハッキリと覚えている・・・。
うれしそうな顔をしていた。
ボールを挟んで紐で縛った。枕元に置いて眠った。


そうだったね・・・。君はどんな夢を見ていたんだろう・・・。


「はやと」って、名前が、ひら仮名で書いてある・・・。
初めての直筆サイン入りグローブだね。
これからは僕の宝物になる・・・・。


君が、どんな大人になるのか?今は分からないけれど・・・
このグローブを僕が抱きしめている限り、君はずっと、現在の君のままでいるだろう。


そんな気がする・・・。


グローブ・・・・。
ありがとう!


ひとりの野球少年の・・・・
夢の隣に・・・いつも君は、あったんだ・・・・。