北風の吹く夕暮れに。
冬。
北風が吹いて寒い一日・・・。
夕暮れ前の白い風景の中で、小さな野球少年たちを見かけた・・・。
小学校の低学年かな?・・・自転車に乗って家路を急ぐ3人・・・。
お揃いのヘルメット、背中にはバット、暖かそうなジャンバーを着て・・・。
野球・・・楽しんでいるかい?
お母さんの作ってくれたお弁当は美味しかったかい?
自転車・・・気をつけて帰るんだよ。
元気な声でね、「ただいま!」って言うんだよ。
渋滞中の車の運転席から、僕は彼らを見ていた。
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取引先の社長が亡くなられた・・・。
長く療養していたのだけれど・・・。
渋滞中の車のハンドルを握る僕は、これからお通夜に向かうところ。
「お世話になりました・・・。
本当にありがとうございました・・・。」
その想いを伝えなければ・・・・・。
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少しずつ車は進む。
小さな野球少年たちと、抜きつ抜かれつ・・・。
バットを背負った小さな彼ら・・・、忍者みたいで可愛い。
お〜い!ふざけっこしてちゃ危ないよ。
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多くの人を大切にする人だった・・・。
多くの人から愛されている人だった・・・。
侠気溢れる人だった・・・。
ただただ悼む・・・。
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ようやく3人の小さな野球少年たちは路地を曲がる・・・。
元気一杯にペダルを漕ぎながら・・・。
走り始めた命・・・。
旅立った命・・・。
北風の吹く冬の夕暮れ。