ハナミズキ

昨日のこと。
ハヤトと出掛けたバッティングセンターで見かけた男の子。
ちいさな野球小僧。おそらく小学2、3年生ぐらいだと思うのだけれど。
元気いっぱいにバットを振っていた。
おお!いいじゃんいいじゃん・・・。
僕がとても好きな光景なり。
ニコニコ笑いながら見ていた。


1ゲームを終えてゲージから出てきた彼、
なんと!「青ッパナ」を垂らしていた・・・。
う〜む。珍しいぞ。希少なる存在だと言えるだろう・・・。
「青ッパナ」・・・、不思議な色だ。エメラルド色だ・・・。
もしくは青りんごグミか?
いよっ!色男!
粘着質のエメラルドが、左穴から右穴にかけて、微妙なラインを描いて鼻の下にくっ付いている。


ありゃりゃ、Tシャツの両袖が光っているぞ!
微妙なる光沢。ベルベットのようだ。
Tシャツの袖で拭っちゃったんだね・・・。


ハタ坊・・・。そうだ、君をハタ坊と名付けよう・・・。


「僕ハ、イバ、ハダガズバッデイバズ」って、しゃべり方をするんじゃないだろうか?
しばらくハタ坊から目が離せない。


おっ、ハタ坊は再びゲージの中へ・・・。
元気いっぱいのフルスイング。
がんばれがんばれ!ハタ坊!
バットを構える真剣な表情・・・・、なんだけれど口はポッカリ開いている。
ポッカリスエット飲んでるかい?
現在口で呼吸中・・・。
苦しくないか?ハタ坊・・・。
可愛いぞ!ハタ坊・・・。


エメラルドボーイ。
ハタ坊。


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「タケシ!帰るわよ!風邪治らなくなっちゃうでしょ!」
「・・・オガーザン・・・アドイッガイ・・・」


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オオオッ!ハタ坊よ、
風邪をひきながらもバットを振っていたのか!


すごいぞ!えらいぞ!ハタ坊!


ハタ坊。
きっと明日は試合なんだね。
気持ちは分かるんだけれど、
今日は早く帰りなさい。
暖かくして寝るんだよ。


大丈夫だよ。
明日はきっとね、風邪は治っているさ。


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ハタ坊はお母さんに手を引かれて帰りましたとさ。


めでたしめでたし。


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ハナミズキ