帰ろう。
「父さん、一緒に帰ろう・・・。」
イヤだもんねー。甲子園にいたいんだもんねー。
「ダメだよ!一緒に帰ろう!」
・・・
なんだかビルマの竪琴みたいになっちゃってるぞ・・・。
でもな、父さんはな、帰りたくないっ!
「ポニーの練習を休みたくないんだよ!帰ろうよ!」
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ううっ、・・・すまん。
息子よ・・・。
僕のためじゃなかったんだ。甲子園に来たのは・・・。
君自身の夢を大きく育ててほしかったからなんだ・・・。
それをすっかり忘れていた・・・。
ごめんな。
帰ろう。東久留米へ・・・。
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そうだ。
この夏、もう一つの夢の舞台があるんだ・・・。
息子の先輩たちの晴れ姿・・・。
ジャイアンツカップだ・・・。
親父仲間のニッさんから写メールが届く。
おおっ!清瀬駅に貼られし横断幕の写真!
「清瀬ポニーの星」
ニッさん!ありがとう!
星たちのために僕ら親父も汗を流そう!
帰ろう!
ニッさん、待っていてチョーだい!
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甲子園で感じたこと。
野球少年たちの可能性は無限だと云うこと。
どれだけ大きな夢を持たせてあげられるか?
それが僕たち親父に出来る唯一のこと。
夢を持ち、それをどこまで大きく膨らませることが出来るのか?
それはきっと子供たち自身が考えるべきこと。
同じ思いで子供たちを見守る仲間たち全員を、ね、
僕は今、誇らしく思う・・・。
日本中の野球少年の親父たち。
みんな志は同じ・・・。
だから仲間。
ニッさん!ありがとう!
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野球の夏。
楽しむぞ!
星たちのために!
僕ってさ、仕事しなくていいのか?
ちょびっと反省。