夏の思い出

 〜 夏休みくんサヨナラ・・・
   サヨナラ夏休みくん・・・
   また会う日まで・・・
   君は僕の友達だ。この世は悲しい事ばかり、
   君無しではとても生きていけそうもない・・・。〜


一応僕は大人だ。
でもね、大人になってからだってさ、8月31日はつらい。
終わっちゃうんだよ、・・・夏休みが・・・。


とても短い夏だったけれど、思い出は出来ただろうか?
一生忘れる事の出来ない思い出は作れただろうか?野球小僧たち・・・。
小学6年生、中学3年生、高校3年生の野球小僧たち・・・。
悔いなくしっかりと駆け抜ける事は出来ただろうか?


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この夏の僕の思い出・・・。


ゲームセットの寸前にね、1塁ベースへ向かって走って来た少年の顔。
審判をしながら僕は、一番近くで見ることが出来た。
カッと目を見開いた顔。がむしゃらに走る表情。
きっとね、それはさ、どんな有名な俳優だって演じる事が出来ない顔なんだ・・・。
気高くて男らしい表情だった。


アウト!・・・、僕がジャッジして試合は終わった。
でもね、僕はその少年の夢を断ち切ったんじゃない。
ものすごく胸が締め付けられて痛かったけれど・・・。


アウトから始まる夢だってあるはずだ。


真剣に走って来る少年の表情が、それを僕に教えてくれた・・・。


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アウト!
でもね、ありがとう。


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夏休みが終わる。
そして始まる。


始まる何かに、ね、
ワクワクし続けようよ・・・。


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シアワセは歩いて来ないんだよ。
だから歩いて行くんだね。


一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる


二学期もがんばれ!
野球小僧!