夕方の匂い

にゃんぱらり・・・・・。
・・・・おっと失礼。


晩秋から初冬にかけての、夕方の雰囲気が好きだ。
独特の匂いがする。なんだかとても懐かしい匂いだ。


子供の頃、友達と遊びまわって帰途につく時の感覚。
がさがさに乾いた手のひら。鼻水を拭った両袖が光るジャンバー。
自転車のハンドルの冷たさ。カサコソと舞う枯れ葉。
早くお帰りと促すような夕焼けチャイムのメロディー。


じゃあね!また明日ね!
友達と別れて自転車のペダルを漕ぐ。


走り出す自転車。
駆けずり回り遊んでほてった顔。
冬の風が心地よかったっけ・・・。


その時の空気の匂いがする。
今でもする。


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夕方、川沿いの遊歩道を歩きながら思い出していた。
とても懐かしい空気の匂い。


少しだけ立ち止まって木々を見上げる。
柿を鳥がつついていた。


景色も空気の匂いも変わらない。
子供の頃と変わっていない。


なんだかうれしくさえ感じる。


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早く帰ろう・・・。


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にゃんぱらり・・・。