生きてりゃいいさ

ハヤト。これはね、父さんが一番好きな唄なんだよ・・・。


君が哀しみに、心を閉ざした時、
思い出して欲しい唄がある。


人を信じれず、眠れない夜も、
きっと忘れないでいてほしい・・・。


生きてりゃいいさ。生きてりゃいいさ。
そうさ、生きてりゃいいのさ。


喜びも悲しみも立ち止まりはしない。
巡り巡って行くのさ。


手のひらを合わせよう、ほらぬくもりが、
君の胸に届くだろう・・・。


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MRIを受けなければならなかったチームメートがいる・・・。
でもね、彼は今、グラウンドを走っている・・・。
本当にうれしかった。
彼の親父さんもね、大切な僕のチームメート。


ハヤトは大喜びだった・・・。
「良かったよ!大丈夫だったんだって!」


そうだよね。彼は君の大切なチームメート。


「みんなで一緒に選手権に行きたいからな!」


ハヤトよ。
かけがえのないチームメートたちよ。
野球は一人じゃ出来ないんだよね・・・。


清瀬ポニーは強いだろうな・・・。


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悲しい話はオシマイ。


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君は今日も走る・・・。


君は今日もバットを振る・・・。


さっきまで泣いていたのに・・・。


君はバットを振る。


涙なんて乾かないんだよね、でもね、君はバットを振るんだ・・・。


それが唯一、今の君に出来ること。


寒くてもバットを振る。
汗が蒸気のようにゆらゆらと昇る。


そうだよね。みんなで一緒に選手権へ行きたいんだよね・・・。


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