思えば、現代の子供たちにとってみれば、死は身近なものではありません。
だからこそ僕は伝えたいと思っています。一人でも多くの子供たちに・・・。
自ら「命」を絶つ子供たちが多い時代です。
死を尊厳のあるものとして伝えたいのです・・・。


生きていることは素晴らしい。
生きているだけでいい・・・。


慈しんだ者が死を迎える。
小さな「命」なのだけれど・・・。
慈しんだ「命」が消える。
抱きしめた君の腕の中で冷たくなっていく・・・。


ハヤトよ。
ポロポロと涙が君の頬を伝う・・・。
唇を噛み締めて嗚咽をこらえる君・・・。
「命」について考えてみよう・・・。
それが生を終えた愛する者に対しての誠意だ。
ハヤトよ。
君はもっと優しい男になる。
本当の意味で強い男になれる・・・。


火葬され、小さな骨壷に入ったマロンを君は抱きしめていました。
帰宅後、君はベッドの中で、布団にくるまり泣きました・・・。
君は声を出して泣いていました・・・。


もう逢えないのだからね・・・。
しっとりとした茶色い毛を撫でる事は出来ないのだからね・・・。


君が泣く。姉さんが泣く。


いいかい?「命」を想おう・・・。
かけがえのない「命」を想おう・・・。


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父さんはね、いつだって心の中で君たちを抱きしめているの。
たくさん泣きなさい。


もしね、サヨナラが言えないのだったら、いいさ。
ありがとうっていってごらん・・・。


「命」はね、リセット出来ないんだよね・・・。


君たち姉弟は、それを学びました・・・。


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大切に出来るかな?
今、君たちの傍にある「命」を・・・。


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