バッティングセンターにて。
ゲージの中で打つハヤトの背中からシャツが出ていた。


ぺろんちょ、ぺろぺろって。


真剣な表情とのギャップがおかしい。


キリッとした眼差しでバットを構える。
けれど背中からはシャツがぺろぺろ・・・。
ぺろんちょ、ぺろぺろ・・・。
風にたなびく・・・。


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ところで。バイ・ザ・ウェー。
僕は違うんだ。下着のシャツの裾はね、パンツの中に入れるタイプの男だ。
背中からぺろんちょはない。


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ぺろんちょ、ぺろぺろ・・・。
よじ。教えてあげる事にしよう・・・。


お〜い!背中!背中っ!
シャツが出ているぞー!


ハヤトは知らんぷりをしている・・・。


聞こえていないのかニャ〜。
よじ。もっと大きな声で言ってあげようっと。


シ・ャ・ツが出ているぞ〜っ!
背中っ!背中っ!


「出てないっ!」


お?ものすごく怒った顔だ・・・。


「出てないっ!」


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出てるよ。シャツ。背中からしっかりと。


現実を直視するんだ!素直に認めるんだ!
勇気を出せ!シャツを直せ!


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「シャツじゃないよっ!Tシャツだっ!」


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でもな。・・・出てるよ。


ぺろんちょ、ぺろぺろって・・・。