■
バッティングセンターにて。
ゲージの中で打つハヤトの背中からシャツが出ていた。
ぺろんちょ、ぺろぺろって。
真剣な表情とのギャップがおかしい。
キリッとした眼差しでバットを構える。
けれど背中からはシャツがぺろぺろ・・・。
ぺろんちょ、ぺろぺろ・・・。
風にたなびく・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところで。バイ・ザ・ウェー。
僕は違うんだ。下着のシャツの裾はね、パンツの中に入れるタイプの男だ。
背中からぺろんちょはない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぺろんちょ、ぺろぺろ・・・。
よじ。教えてあげる事にしよう・・・。
お〜い!背中!背中っ!
シャツが出ているぞー!
ハヤトは知らんぷりをしている・・・。
聞こえていないのかニャ〜。
よじ。もっと大きな声で言ってあげようっと。
シ・ャ・ツが出ているぞ〜っ!
背中っ!背中っ!
「出てないっ!」
お?ものすごく怒った顔だ・・・。
「出てないっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出てるよ。シャツ。背中からしっかりと。
現実を直視するんだ!素直に認めるんだ!
勇気を出せ!シャツを直せ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「シャツじゃないよっ!Tシャツだっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
でもな。・・・出てるよ。
ぺろんちょ、ぺろぺろって・・・。