ひとり力(りょく)

僕は思う。
現在の子供たちに身につけてほしい力のひとつ。
それはね、「ひとり力」
自分の意志を強く持ってがんばる事の出来る力。
流されず真っ直ぐと進む力・・・。
孤独であれとか、孤高を好めとは違うんだ。
自分自身の心を、しっかりと持ち続ける生き方って言った方が正しいのかもしれない。
しっかりとした個々の集合体こそが、本当の意味でのチームなのだと思う。


息子と仲間たちの1年間を振り返りつつ考えた事が、それ。
本当の意味で、すごい野球少年とは、「ひとり力」を持った選手の事だ。
ポニーの先輩たち、仲間たち、そしてライバルたち・・・。
みんな「ひとり力」をしっかりと持った少年たちだったんだ・・・。


小学生時代のチームからただ一人、硬式野球の道を息子は選んだ。
長い歴史を持つチームなのだけれど、硬式野球へ進んだのは息子が初めてだ。
得たものは大きかった。素晴らしい1年間だった。


厳しい道さ。中学硬式野球・・・。
息子は貧血。
親父は金欠。
わははっ!人生楽ありゃ苦もあるさ!涙の後には虹も出る。
ノープロブレム!笑って毎日を生きよう!


東久留米の6年生たち。
おおっ!たくさんの子供たちがポニーを志していると聞く。
とてもうれしい出来事だった。
しっかりとさ、「ひとり力」を持っておいで!


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「ひとり力」を持った、ある6年生の男の子がいる。
彼は、ハヤトの後輩。
今年、チームの中でね、たった1人の6年生だったんだ。
シーズン途中で彼は、東久留米の古豪と呼べる素晴らしいチームに移籍した。


同い年の仲間が揃って、彼が初めて体験出来た本当の野球。
どんなにうれしかっただろう。


彼の心に想いを馳せる時、僕はあらためて野球の素晴らしさを感じるんだ。
そして、同時に、6年生の途中から彼を暖かく迎え入れてくれた古豪チームの関係者の方々に感謝したい。
1人の野球少年の夢を育んでくれた方々に感謝したい。


彼は、再び「ひとり力」を持って飛び立つ様子。
野球が好きだから。
彼はスラッガー・・・。
ただひたすらに野球が好きだから。


でもね、この週末の彼の旅立ちは1人ぼっちじゃないんだ。


ハヤト先輩と一緒に出掛けるそうだ。
自転車に乗って小山の坂道を登る。
がんばれがんばれ。しっかりとペダルを漕いで・・・。
ポニーへ。野球の神様の懐へ・・・。


坂道を登る背中を、僕は見届けてあげようと思っている。


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「ひとり力(りょく)」
それは、本当の勇気なのかもしれない。