冬の稲妻

まるで嵐のようだった。
ものすごい雨と風。冬の嵐。
せっかくの冬休み初日なのになぁ、ナンテコッタ・・・。


真冬の嵐、それを「山茶花梅雨」と呼ぶそうだ・・・。
読める?「山茶花」って?そうだよ。「さざんか」さ。
サザンがキュー。サンキュー。
ベイベ。


しかし異常気象。暖冬。
エルニーニョだかチチョリーナだか知らねぇけどな。
えらい迷惑な話だ。
冬休みの初日を子供たちに返してあげてほしい・・・。


ピカッ!ゴロゴロ・・・。雷鳴が轟く・・・。
春雷ならぬ冬雷、うむ、冬雷の到来。
唄うしかないな・・・。一緒に唄おう・・・。


〜ヨーロリン サンダー・・・ はあっ・・・〜
〜ヨーロリン サンダー・・・ はあっ・・・〜


え?メロディが分からない?
お父さんかお母さんに聞いてごらん・・・。


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激しい雨の夜。娘を塾まで迎えに行く・・・。
今日から彼女の通う塾は、冬期講習バージョンになった。
朝から晩までの、メチャクチャなスケジュールだ・・・。
せっかくの冬休みなのになぁ、ナンテコッタ・・・。


塾から出てくる子供たちの姿が切ない・・・。
足らんのか?足らんのか?学校の勉強だけでは足らんのか?
タリラリランなのか?


娘を車に乗せる。
今夜、カミさんとハヤトが出掛けているので、夕食は娘と僕の2人。


何が食べたい?


「あのね、お寿司・・・。」


お寿司・・・。イーネ!
娘の言う事ならば、父親は誰だってデレデレしちゃうだろう・・・。
そんなものだ・・・。


甘い親父だ。僕ってヤツは。糖度バツグンさ。
糖尿に注意しなくっちゃ!


でもな、解っているさ、いつか親父は娘に邪険にされる。
ポイッってされちゃうんだろうな・・・。
いいんだよ。それでも親父たちは誰だって本望さ・・・。


それを専門用語で、「邪険・ポイッ!あっちむいてホイ!」と言う。(か、どうかは不明)


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15歳の試練に負けないでおくれ・・・。
ずっと明るい君でいておくれ・・・。


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外は雨が一層激しさを増す。
でもね、大丈夫だよ。明日はいい天気になるらしいよ。


たった15歳の子供たちが立ち向かう試練を思う・・・。
みんな負けるなよ・・・。


明日はいい天気らしいよ。