ダンデライオン
自由か不自由かなど、誰にも解らぬ。
それは、おそらく、知る必要など無いものだ。
ただフワリと風に乗り、この地に降り立っただけのことだ。
あとは生き抜くだけだ。
地中深くに根を張るだけだ。
生き抜くだけだ。
残された道は、ただ一つだ。
それを、おそらく、人は「天命」と呼ぶ。
眩しい春の朝の陽射しを浴びながら、
花を開かせたオマエはシアワセ者だ。
どんなに小さかろうと、
どんなにみすぼらしかろうと、
春の朝の眩しさを知るオマエはシアワセ者だ。
ただフワリと風に乗り、この地に降り立っただけのことだ。
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「踏みにじられても・喰いちぎられても、枯れもしない。死にもしない。」
かつて、詩人の坂村真民さんは、オマエの生き方を自分の魂と謳った。
小さくとも、たとえみすぼらしくとも、
オマエはなんて美しい花なのだろう。
なんて誇り高い姿なのだろう。
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グラウンドの上を走る懸命な少年たちの姿が重なる。