野球の神の見えざる手

朝もやの中のグラウンド・・・。
それぞれの守備位置を自らの手で整備したロングコックスの先輩たち。
彼らがその朝に祈ったこと、願ったこと・・・。
大切な試合を前にして張り詰めた心・・・、
研ぎ澄まされた心・・・。


凛々と静かに激しく高まる鼓動・・・。


少年たちは、それを不思議だと感じたことだろう・・・。


いいかい?
その凛とした感情はね、人間が何かを成し遂げようとする時の、心の在り方の基本形なんだ・・・。
野球だけじゃない。
君たちが大人になった時、きっと何度も凛としなくてはならない場面が訪れるだろう・・・。
その度に君は思い出すんだろうな・・・。
朝もやの中のグラウンドの空気と、一生懸命に整備した土の感触を、ね・・・。


どんなに苦しい時が訪れてもね、君は決して忘れないだろうなぁ・・・。
この朝の凛とした心を・・・。
チームメートの顔を・・・、監督やコーチの顔を・・・。
メガホンを持って君たちを応援していた仲間や後輩たちの顔を・・・。


どんなに苦しい時が訪れてもね、君は決して挫けないだろうなぁ・・・。
だって君は、こんなにも野球をしっかりと習ったんだもの・・・。
この朝の気持ちを思い出せばさ、君はいつだって凛と出来るんだもの・・・。


ロングコックスの先輩たちよ、
たとえ小さくとも花開かせた野球少年たちよ・・・、
君たちの祈りが届きますように・・・。


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大丈夫だよ、ノープロブレム!


野球の神様の懐に抱かれて、君は夢に向かって走ればいい・・・。


清瀬ポニーの選手であることを誇りに思っていい・・・。


野球が大好きな自分自身を、もっともっと好きになればいい・・・。


応援させてね・・・。


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残り僅かな日々・・・。


でもね、君が不思議を実感するのはこれからだ・・・。


野球の神様の見えない手が、君を導いてくれる。
君は、ただひたむきに野球と向き合えばいいんだよ・・・。


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カキーン!


悲しいぐらいにフェアだ・・・。
痛いぐらいにフェアだ・・・。


君の瞳はね、真っ直ぐだよ・・・。