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僕は今日も仕事。せっせ・せっせ・・・。
電話にて知らされる朗報、ローホー、ラリホー!
おおっ!1年生大会の優勝は清瀬ポニー!
えらいぞ!よ〜くがんばりました・・・。
オジサンはうれしい・・・。
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本日、清瀬ポニーの2・3年生たちはね、試験勉強のため練習は中止。
がんばれがんばれ!中学生たる者、やっぱり本分は学業に在り。
ハヤトも午前中に練習を済ませ、自室にて勉強中・・・。
1年生大会に於ける後輩たちの朗報を聞かせてやろうと、僕はハヤトの部屋へ・・・。
「おお〜っ、すげぇな!あいつら!」
本当にうれしそうな顔をしていた・・・。
3年生、2年生、1年生・・・。
71人がしっかりとつながっている。
素晴らしいクラブチームだと思う・・・。
おっとっと、
勉強の邪魔をしちゃ、いかんいかん・・・。
じゃあな。父さんは退散するとしよう・・・。
悪霊退散〜!ってね。
じゃあな!
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ハヤトの部屋を出る時、ふっと見つけた。
おっ、CDじゃん、「ハナ肇とクレイジーキャッツ」だ!
Tくんに借りたんだな・・・。
おい、ハヤト、これ聴こうぜ!
「ダメだよっ!聴いちゃダメ!」
え?何でだよ!ケチんぼ!
Tくんに借りたんだろ?
「違うよ!借りたんじゃない!Tくんが忘れていったんだよ!
オレだって聴きたいけれど聴けない・・・。」
え?・・・え?
「借りたんだったらオレも聴く。でも違うんだよ、これはTくんの忘れ物だ。
だから聴いちゃいけないんだ。Tくんに悪いだろ?可哀想だろ!」
え?・・・え?
でもな、せっかく家にあるんだからさ、ちょっとだけ聴こうぜ・・・。
「それが大人の言う事か!」
うっ、・・・。
悪かったな、父ちゃんが悪かった・・・。
じゃあな、勉強がんばれよ・・・。
「ああ。」
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階下へ降りて考えた・・・。
何だかな〜。ちょびっと腹が立つ・・・。
確かになぁ、ヤツの言ってる事は正しい・・・。
でもな、あまりにも融通のきかない男じゃないだろうか・・・?
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おいっ!T!
忘れ物するんじゃねえぞ!気をつけろい!
・・・今度、オジサンに直接貸してチョーダイ・・・。
クレイジーキャッツのCD・・・。