倫理的にリンリン。

hayatonooyaji2008-05-26

目覚めて朝、雨戸を開けた時に僕は、陽光の鋭さを感じた・・・。
真夏の空気の匂いがしたんだ・・・。
黒目川のほとりからね、カッコーの声が聞こえる・・・。
とってもいいでしょ?そう、夏は駆け足でやって来る・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドアを開けて行ってらっしゃい。
ドアの向こう側には新しい日々がある・・・。
ドアを開けた瞬間にね、きっとみんな気付くだろう・・・。
眩しく輝く日々が、そこにある・・・。
こんなにも朝を、感動しながら迎えられたのは久しぶりだ・・・。
本当に、本当に、・・・久しぶりだ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


娘(高校2年生)は、今日から中間テスト・・・。
昨夜、相当遅くまでがんばっていたみたいだ・・・。
ちょっぴり不安そうな表情が切ない・・・。
いいんだよ、いいんだよ、等身大の自分でね、どんな事にも挑めばいいんじゃないかってさ、
パパは思うぞ・・・。


「倫理の試験なの・・・。」


倫理?・・・。
♪リンリンリリン・リンリリ・リンリン
 リンリンリリン・リリリリリ・Yea!♪だろ?
倫理についてパパに問うのは根本的に間違ってるぞ・・・。


パスカル・・・。」


おおっ、パスカルだな、知ってるぞ、アライグマさ。
見てくれは可愛いんだけれどね、野生化しちゃって大変らしい・・・。
アニメで人気が出ちゃったんだね・・・。
・・・なんちゃって、ほーれ、笑え笑え・・・。


「人間は考える葦である。って言った人。」


あっしは考えない人間である。
そう言ったのはね、君のパパさ。


昨夜、あれだけがんばっていただろう?
ならば今、君が出来る事だけが君の全てだ・・・。


等身大の自分でがんばればいいんだよ・・・。
大丈夫、今の君なら出来る・・・。


ドアの向こう側は夏だよ・・・。
青春真っ盛り・・・。
テストは嫌かもしれないけれど、それさえいつかは思い出になる・・・。
行ってらっしゃい・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


黒目川のほとり。
カッコーの鳴き声。


早朝から射すような陽射し。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


シアワセな気持ち・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


え?写真?
そうそう、この子はね、白ザリガニの女の子・・・。
我が家の白ザリくんのお嫁さんとして迎えた・・・。
あと数回脱皮をすればね、花も恥らうお年頃になるだろう・・・。
これは、僕とハヤトの壮大なる計画・・・。


純白の宝石。
白ザリガニを繁殖させる。
繁殖させて、一攫千金を目論んでいる・・・。


来るね。
必ず来る・・・。
白ザリガニのブーム・・・。
それは、かつての大クワガタのブームを上回るものになるだろう・・・。


え〜っと、ザリガニはね、一度に200から300の卵を産む。うむうむ・・・。
ハヤトよ、父ちゃんが大雑把に計算するとだな、
300×丸々円だぞい!
うっひっひ、笑いが止まらなくなっちゃうね!


「父さんってさ、悪いヤツなんじゃないか?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そうさ。


きっとね、親の背中を見ながら何かを考えるって事が、


生きた倫理の勉強になるのかもしれない・・・。