帰京。

おはよう!って言う・・・。


あのね、おはよう!って元気に挨拶をして一日が始まる・・・。


今日はきっと、そうだよ、普通の一日・・・。


いつもと同じさ、普通の一日・・・。


でもね、普通の一日ってさ、本当に普通の一日なんだって思うかい?


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何気ない繰り返しの日々・・・。


僕たちはね、時として忘れてしまいそうになるのだけれど、・・・違う・・・。


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普通の一日って、どんなに尊くてありがたい事なんだろうって思う・・・。


悲しい事件のニュースを聞く・・・。
悲しい事故のニュースを聞く・・・。
悲しい災害のニュースを聞く・・・。


そんな時に僕は考えるんだよ・・・。


普通の一日ってね、なんと奇跡に溢れているんだろう・・・。


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起きたらさ、おはよう!
出掛ける時にはさ、行ってきます!
帰ってドアを開けながらさ、ただいま!
夜、眠る前にはさ、おやすみなさい!


一昨日と同じ昨日だったシアワセ・・・。
昨日と同じ今日を過ごせるならばシアワセ・・・。


今日と同じ明日とか、
明日と同じ明後日が続いてくれるのならシアワセ・・・。


普通の一日ってね、きっと、一番シアワセなんだ・・・。


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地震で崩れ落ちた土砂の様子がテレビの画面に映る・・・。


そこにね、人がいる・・・。


どんなにか苦しくて痛いだろう・・・。


どんなにか暗くて冷たくて恐いだろう・・・。


そこにいる人を想うと、
僕は、涙がこぼれて止まらなくなる・・・。


生きていてほしい・・・。
何があっても生きていてほしい・・・。


僕は、心が痛くて痛くてたまらなくて、
ただ涙を流す事しか出来ない弱い人間なのだけれど・・・。


どうか生きていてください・・・。
何があっても生き抜いていてください・・・。


ただ涙を流している、弱い人間の僕なのだけれど、
何か出来る事は無いのだろうかって、考えている・・・。


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今、土砂の下にいる人にも、
穏やかな普通の一日があった・・・。


おはよう!があった・・・。
行ってきます!があった・・・。
ただいま!があった・・・。
おやすみなさい!があった・・・。


普通の一日があったんだ・・・。


がんばれがんばれ!
生きていてください・・・。


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神様よ・・・。
神様よ・・・。


もう人間を試す事は、
やめてください・・・。


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倒壊した家屋の下、
どんなにどんなに痛くて苦しいでしょう・・・。


助けてあげたい・・・。


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自分の布団で目覚めた朝・・・。
普通の朝を迎えた僕・・・。


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痛くて苦しんでいる人・・・。
痛くて苦しんでいる人の朝・・・。


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何を為す?


我・・・。