ランニング夜の部・・・。
ハヤトの帰りがあまりにも遅いのでカミさんは心配していた・・・。


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昼間は驚くほど暖かな一日だったけれど、
夕方から風が強まり気温が下がった・・・。


だが、空気は澄んでいるみたいで、
夜空には本当に綺麗な月が見えていた・・。


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「どこまで行っちゃったのかしら?」


何度も何度もカミさんは言う・・・。
どこの御宅でもそうなのだろうけれど、
母親ってヤツは心配性なんだな、こと息子の行動に対して・・・。


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「ただいまぁ〜」と、汗はすっかり引いたような状態にてハヤト帰宅・・・。


「どこまで行っていたの!」と、かなり厳しい口調でカミさんは聞く・・・。


お〜い、ハヤトよ、口答えしちゃならんぞ・・・。
母さんはな、とっても心配してたんだぞ・・・。
少なくともな、それには感謝せよ・・・。
って、ね、カミさんの背中越しに僕はハヤトに目で合図をする・・・。


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聞くところによるとハヤトは、いつものコースを走っていたのだが、
途中で同じくマラソンしている同級生のKくんと行き会い、
黒目川と落合川の分岐まで一緒に走ったそうだ・・・。
その後、我が家の近くまで帰ってきてからずっと、
芝生の公園でKくんと話していたのだと言う・・・。


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夜空は見ただろうか?
月は見ただろうか?
Kくんよ、ハヤトよ・・・。


たくさん話は出来ただろうか?


その時間は、な、
いつまでも忘れ得ぬ時間だ・・・。


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卒業までのカウントダウン・・・。


トモダチと過ごす時間を何よりも大切にすればいい・・・。


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月は綺麗だったろ?