卒業式までの数日間、ハヤトは弁当持参で学校へ行っていた。
式典の中で答辞を読む大役を学校から仰せつかり、女子のNさんと共にずっと、
当日に向けての準備を進めていたのだ。


同級生全員の想いを受け取って、
同級生全員の思い出を学び舎に刻み込む為に・・・。


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Nさんの可愛らしい声と、
ハヤトの図太い声の答辞を僕は聞いた・・・。


ハヤトよ、
オマエの辞書には、「緊張」という言葉はないのか?


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3年間の思い出が風になって体育館を満たしていた・・・。


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卒業おめでとさん。