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魂だけの姿に戻った祖母は、そろそろ天国に着いただろうか?
天国に着き、懐かしい人たちとの再会を果たしただろうか?
そんな事を今、僕はずっと考えている・・・。
そして祖母のきっと、うれしくてたまらないだろうなという心に想いを馳せて、
ともすれば悲しみに溢れてしまいそうになる自分の心を慰めている・・・。
祖父は真っ先に、祖母を迎えただろうと思う・・・。
30数年ぶりに会えた2人は、どんな言葉を交わしたのだろうと思う・・・。
「おつかれさん。
どうもありがとう。」
祖父の魂は満面の笑顔で祖母を迎えただろうと思う・・・。
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人が歩んだ証・・・。
人が生き抜いた証・・・。
それは考えられぬほどきっと、
たしかで強いものなのだ・・・。
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僕の手元に、
赤茶けた古い大学ノートがある・・・。
これは、祖父が生前に書き残した日記だ・・・。
子供たちの行く末を案じる心と、
妻への感謝の言葉が綴られている日記だ・・・。
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30数年ぶりに交わしたであろう2人の会話を想像しつつ僕は、
この古い日記を読み返してみる・・・。
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魂は煙になり、たなびき、
そして空に溶けていくのだけれど、
決して消えてしまうものではない・・・。
人が生きた証は、
足跡は、強固だ・・・。
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「ありがとう・・・。
本当におつかれさん・・・。」
天国で祖父は笑顔で、祖母を迎えただろう・・・。
どうやら間違いないだろう・・・。
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確信に満ちて僕は、
祖父の古い日記を閉じる・・・。
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しっかりとたしかに生きる・・・。
そんな日々を積み重ねて生きる・・・。
いよいよ僕らの番だ・・・。