「自分が生きた証を残したい・・・。」


そんな事を人は、よく言う・・・。


僕だってきっと、心の奥底で、ね、
自分では気付かなくても、そんな事を考えているのかもしれない・・・。


でも、な、
何も残さなくてもいいんだ・・・。


ただ生まれ、
懸命に今日を生きているだけでいいんだ・・・。


人生の善し悪しなんざ、人それぞれなんだもの・・・。
人生の善し悪しを計るハカリなんて無いんだもの・・・。


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どんなに長く生きたって、ね、
もしかしたら薄っぺらな人生だってあるかもしれない・・・。


たった16年しか生きられなかったとしても、
そして、その命は突然に断たれてしまったのだとしても、
充たされていて生き抜いたのだという人生だってある・・・。


将聖くん・・・。
きっと懸命に夢と、
そして白いボールを追いかけていたであろう君の16年は、ね、
とてもとても尊くて、永遠に輝く青春の姿そのものだよ・・・。


君は、生きた・・・。
16年の人生を全力で疾走したんだ・・・。


君は、生きていた証を残した・・・。


そうだよ、生きた証を鮮やかに残したんだよ・・・。


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五厘の坊主頭で笑う君の顔を、
僕はいつまでも忘れないからな・・・。


野球さえ学んでいなかったら・・・。
野球をしていなくて、自宅通いの普通の高校生に君がなっていたのだとしたら・・・、
君は、命を断たれなくて済んだのかもしれないよね・・・。


でも、違う・・・。
君は、野球に魅せられた少年だったんだ・・・。


だから僕は泣く・・・。
いつまでもずっと、君を忘れまい・・・。


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野球を好きでいてくれてありがとう・・・。


まだ僕の涙は、止まらないんだけれど・・・。