校歌を唄う効果。
ラジオのスイッチを切り、僕はテレビの前に移動した・・・。
もうちょっと、もうちょっとでね、校歌が流れるだろう・・・。
夏の日差しの中の彼らと共に、僕は校歌を唄おうと思う・・・。
「ファンファーレ」も「ワッショイ!」も、
やっぱり一味違う・・・。
迫力が違う・・・。
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あのにゃん、僕、
あのまま車中で2泊してたらな、
この場面にいられたのににゃん・・・。
至極、至極・・・、
至極残念無念なり・・・。
がんばれがんばれ後輩たちよ・・・。
あのね、オジサンね、
そこから遠く離れた東京にいるんだけんど、
ウチワを叩きながら応援しているよ・・・。
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「貸しもの」「借りもの」の理・・・。
健康な身体をお貸し下さった神様に感謝しておくれ・・・。
そして君に、
大好きな野球を続けさせてくれているお父さんやお母さんに感謝しておくれ・・・。
ベンチにいる君も、
スタンドにいる君も、
見事にカキーン!な少年たちだ・・・。
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ありがと。
ありがと・・・。
後輩たちよ・・・。
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そうだね、そうだよね、
華やかにテレビで放映される君の姿だけじゃない・・・。
西日の照り返しでさ、
立っているだけでもツライ白いグラウンドを僕は思い出す・・・。
黙々とただ毎日、
その白いグラウンドを駆けて、
研鑽を積んでいたであろう君の日々の姿を想う・・・。
ありがと。
ありがとさん、後輩たちよ・・・。
特に3年生のにゃん、君らは特別なんだにゃん・・・。
僕の娘と同い年だなんて考えるとにゃん、
不思議なんだにゃん・・・。
君らは同じグラウンドを駆ける後輩なんだけんど、
どちらかっつーと息子みたいなモンなんだにゃん・・・。
ありがと、
ありがとさん、バイオレットの息子たちやい・・・。
彼女いるのか?
・・・そうか、いないのか・・・。
やっぱりな・・・。
たぶん、いないんだろうな〜ってな、
君の顔を見ながら思っていた・・・。
でもな、大丈夫さ!オッケーさ!
ノープロブレムさ!心配しなさんな・・・。
今のままで真っ直ぐ生きればいい・・・。
いつかきっと、素敵な彼女と巡り合えるだろう・・・。
それは僕が保障してあげる・・・。
だがな、素敵だった彼女は、しかし、
結婚した途端にな、ものすご〜く恐くなるんだ・・・。
見て見て、オジサンの左の頬っぺ・・・。
赤いでしょ?
もみじ饅頭のカタチで赤いでしょ?
甲子園に行ったからなんだよ、黙って・・・。
君の野球を見たかったからな・・・。
黙って行っちゃったからね、僕は怒られたんだね・・・。
「どこに行ってたの!」なんてさ、
胸倉つかまれて怒られたんだよ・・・。
どうしよう?後輩よ、
同じグラウンドを駆けた息子のような後輩たちよ。
知恵を貸してくれないだろうか?
正直に言おう・・・。
助けて!
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でもな、
ありがと。
ありがとさん、
後輩たちよ・・・。
マウンドからの景色は、きっと、
四半世紀経っても同じなんだろうね・・・。