徳を説く。

どうして未成年は酒を飲んではいけないんだと思う?
そうだね、いろいろと理由はあるだろう。
まだ出来ていない身体のため。
まだ出来ていない心のため。


でも、いろんな理由なんか関係なくて、未成年は酒を飲んじゃダメだ。


それがルールだ。
ルールは守らなくちゃならない・・・。
野球を学ぶ人間ならば、それはなおさら・・・。


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プロ野球入りを決めた沖縄のある球児が、
仲間たちと酒盛りをして、補導されていたとのニュースが流れた・・・。


僅かながらポニーリーグに関わらせて頂いている大人の一人として僕は、
彼の今後の活躍に期待を寄せていたので残念だった・・・。


せっかくな、プロ野球に進めるほどの技術と才能の「徳」に恵まれている少年だったのにと思う・・・。


持って生まれた「徳」と、
生きる中で積むべき「徳」・・・。
おそらく「徳」の種類は二つあって、
その二つの「徳」を車の両輪のようにバランスよく育まなくてはならないのかもしれない・・・。


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どうやら球団サイドは、契約の破棄も視野に入れて動き始めたようだ・・・。
新入団選手の会見にも、彼の姿は無かった・・・。
なんとか契約の破棄だけはお許し願えないだろうかと祈る・・・。


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やはり「徳」についてしっかりと学ぶべきなのだろうな・・・。


まさしく「不徳」の致すところなのだから・・・。


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一方、仙台H高校のKくん、
この時期になお「徳」を積む姿が素晴らしいと僕は思った。
来春のキャンプを乗りきるために重ねるトレーニングのそれは、まさに「徳」だと言えるだろう。


後輩たちの練習が終わった後のグラウンドで黙々と練習をして、
あいかわらずせっせとトイレ掃除にも励んでいる模様。


ひたむきに積んだ「徳」を、野球の神様は決して捨ておかぬ。


Kくんの野球は、必ずやファンの胸を打つだろう・・・。


持って生まれた「徳」・・・。
日々、黙々と積む「徳」・・・。
二つの「徳」はきっと、大きな花を咲かせることだろう・・・。


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もう一度、
どうか全ての野球の指導者たちよ、
あらためて野球に於ける徳について考えてほしい。


悲しいまでに辛いけれど、
ストイックな生き方の大切さを子供たちに説いてほしい。


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二週間の停学で事態は収まらないだろう。


彼自身がしっかりと「徳」について考えるべきだろう。
学ぶべきだろう・・・。


この事態を不幸中の幸いだったと思いたい。


気が緩み、仲間と酒を飲むような心では、ね、


来春のキャンプは乗り越えられないのだから。


そして、
そんな心の選手が、
ファンの胸を熱くさせるプレーなんて出来る「理」があるわけないんだから、ね。


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しっかり!がんばれがんばれ!


それでも僕は沖縄の君を応援し続ける。


君の本当の野球が始まるのは、これからだ・・・・。