買い物に出掛けた先で僕は、よく知る元野球少年、Mくんに会う。


学校は違うのだが、我が愛娘と同い年の元野球少年は、やっぱり可愛い存在だ・・・。


少年から青年へ、その一歩をしっかりと歩み始めている様子は、とても頼もしく嬉しいものだ・・・。


「一浪しちゃってます。」と、Mくんは頭をかきながら言った。


おう、そうか・・・。
大変だろうけれどがんばれ・・・。


人生に回り道なんて無い。
無駄な出来事なんて無い。
今、見える景色を楽しめばいいんだよ・・・。
それは悔しいし、つまらない景色に見えるだろうけれど、しっかりと見て心して楽しめ・・・。


将来、辛かった一年間は、な、
君の生き方に奥深さを与えてくれるはずだ・・・。


がんばれがんばれ・・・。


今こそ、そうさ、
野球で培った強さが試される時・・・。


Mくん、
カキーン!だぜ・・・。


え?
オジサンは何を買いに来たのかって?


うむ、小松菜と玉ねぎだ・・・。
野菜の値段が普段どおりに下がり、ホッとしているところさ・・・。


じゃ、またね、Mくん。
君が二十歳になったら飲もう・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一浪?
ならば君よ、イチロー選手みたいに格好良くがんばれ!


二浪?
ならば君よ、坂上二郎さんみたいに飛べ!
大きく飛躍せよ!

「飛びます飛びます!」って、ね。


何度も僕は言う。
いいかい?
人生に無駄な出来事なんて無い・・・。