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朝、我が家の玄関先で、
アブラゼミが死んでいた。
ひっくり返り、お腹を見せて、空を見上げるようにして死んでいた・・・。
郵便受けの脇で羽化し、ここから旅立ったアイツだろうか?
このアブラゼミは・・・。
そうかもしれない。
違うかもしれない。
ただ、夏は少しずつ終わりに向かって動いているのだと実感した・・・。
朝一番の風は優しい・・・。
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いよいよこの夏も甲子園が終わる。
14万8647人、
おう、7月の段階で、な、
それが高校球児の総数であった・・・。
14万8647人分の夏の夢が今日、そうだよ、昇華するんだ・・・。
申し訳ないが少年たちの野球の勝敗についてなら僕は、一切の関心を持たない。
ただ、あらゆる場面を力の限り疾走したであろう彼ら全員の夏を想えば愛しい。
14万8647の夏が愛しいのだ・・・。
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夏のイチバンの旗が、
エメラルド色の海を越えて沖縄へ初めて行く。
素晴らしい事だね。
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少年たちの野球の夏は、ね、
終わる事なく続く・・・。
アブラゼミは力尽きて死んだ。
でもなあ、
少年たちの野球の夢の夏は終わらない。
これからだよ。
まだまだ終わらない。