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息子は高校3年生だ・・・。
僕の身長を2センチ越えている・・・。
もう、コイツとキャッチボールなんて出来ないんだよ、
恐いからな、恐いからな、現役高校球児が投げる球なんてな、恐いからな。
すっかり大人になってしまっているのだけれど、
息子よ、父ちゃんは思う・・・。
球児って呼ばれるよりも、ね、
やっぱりさ、野球小僧って呼ばれる君であってほしいんだ・・・。
そうか、もう残すところ1ヶ月あまりか・・・。
君が君の野球を終える日を迎えることが、
本当は父ちゃんは辛くてかなわん・・・。
でも、ね、
その日が来たら僕は君と握手をして、
その肩を叩いてやろうと決めている・・・。
君の12年間を讃えてやる・・・。
僕は、ああ、僕は、ね、
間違いなく世界で一番シアワセな野球の親父であった・・・。
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過日、清瀬第2グラウンドで見かけた小さな野球小僧だ・・・。
なあ、ハヤト、
父ちゃんはさ、本当に本当にこの子が可愛いと思う・・・。
ちっちゃくてちっちゃくて、
まだまだこんなに細い腕をしてる・・・。
この男の子が背中に背負ってるバットが、さ、
父ちゃんは父ちゃんは愛しくてたまらんよ・・・。
なあ、ハヤト、
この男の子ぐらいの大きさに戻って、
時々でいいからさ、
父ちゃんの夢の中に遊びに来てくれ・・・。
父ちゃんは、それだけでシアワセだ。
他には何も要らん・・・。
他には何も要らん・・・。
あと1ヶ月ちょっとか・・・。
全力で駆けてくれ・・・。
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ちっちゃな頃からそうだった・・・。
君は、1塁ベースにヘッドスライディングする男であった・・・。
駆け抜けた方が速いんだ!って、
ずっと父ちゃんは言っていたのだけれど、
君は、1塁ベースにヘッドスライディングする男であり続けた・・・。
高校3年生・・・、
もういいよ、
もういいんだ・・・。
遥か彼方の1塁ベースにヘッドスライディングしてくれ。
そんな想いで残り僅かな日々を駆けてくれ・・・。
オッケー牧場!