男の風格

その男、風格あり・・・。


風格ある男を前にして、
品格すらない僕はたじろぐ・・・。


その男、風格あり・・・。
威風堂々でさえある風格あり・・・。


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その男、名をOさんという・・・。
息子の高校の野球部の、次年度父母会長に決定した・・・。


風格あり・・・。


どっしりとした表情だ・・・。
たぶん、還暦間近の、百戦錬磨のビジネス戦士といった風情・・・。
おそらく、名のある企業の役員って顔だ・・・。
役員ってヤツは定年が無いのでな、その後もその企業の顔として活躍するであろう男の顔だ・・・。


シワの一筋一筋に人格を感じる・・・。
それぐらい凄そうな男だ・・・。


風格あり・・・。


う〜む、
僕だってな、あと10数年経てば、あんな顔になっているのかな?って思う・・・。
還暦を迎える頃には、ね、
男たる者、自分の顔を持ちたいものだ・・・。


息子の野球で出逢えた尊敬するヒトのリストに加えた・・・。
僕は、Oさんを尊敬するヒトのリストに加えた・・・。


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一方、
息子の1学年下のサウスポー、Tくんの親父さんは同い年。
にゃんだかにゃん、
見た目の怪しさからすべてに至るまで僕と似ている・・・。
とっても気が合うので、僕らは仲良し・・・。
Tちゃんと呼んでいる・・・。


先日、このTちゃんから僕は、衝撃の事実を聞く・・・。


「Oさんってね、オレらと同い年だよ。」って・・・。


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風格ある男。
僕と同い年・・・。
Oさん、
ず〜っと僕は敬語を使って話していたOさん、
僕と同い年・・・。


くそう!
O!
なんちゃって・・・。


敬語を使ってた分を返せ!
なんて思ったりはしないぜ僕は・・・。


しかし、しかし衝撃の事実であった・・・。


風格のある男に、
品格すらない僕は親近感を抱く・・・。
同い年っていいものだ・・・。


Oくんと呼ばせてもらおう・・・。


Oくんよ、
君は、玉手箱を開けちゃった男なのか?って、聞いてやろう・・・。


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だが、同い年の男に、ね、
あんな風格があるなんて僕は焦る・・・。


なにしろ僕は、
フォードムスタングコブラをな、
大人になったら買おうって考えているレベルの男だ・・・。


風格とは程遠い・・・。


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しかしOくんは風格ある人格者。


次年度の父母会での活躍が期待出来る人物なり・・・。


わっはっは!
カキーン!だ・・・。


来月、初の試みなのだけれど、
3学年ぜ〜んぶの父ちゃん&母ちゃんの交流会を僕らは企画中!


み〜んなで肩を組んで、ね、
子供たちの野球を応援する環境を整えちゃう予定だ!


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その日、
僕はOくんの肩を抱いて、
敬語を使わないで喋ってみるつもり・・・。