ダイヤのルース(裸石)を仕入れるために僕は、
仲良しのインド人宝石商、Tくんと会う・・・。
振り返り考えてみれば、随分と長い付き合いになる・・・。
僕は彼に感謝しているし、彼もまた(たぶん)僕に感謝してくれているので、
自然に長い付き合いになっているのだろうなと思う・・・。


取引きの話の最中、都合が悪くなると彼は、急に日本語が通じなくなったりするのだけれど、
そんな茶目っ気さえ好感が持てる好漢なり・・・。


ちなみに、巣鴨生れの江戸っ子な僕は、
箸を使わず素手で寿司を食べるのだけれど、
生粋のインド人であるTくんは、きちんとスプーンでカレーを食べる。


その姿を見た時、僕は驚いた・・・。


そうだよ、聞いた知識と、な、
実際ってヤツは、こんなにも違うんだね・・・。
インド人がカレーを素手で食べるって思ってる人よ、
それは間違いだよ・・・。


でも、江戸っ子は、な、
素手で寿司を食おうや・・・。
箸で寿司を食うなんて、な、
まどろっこしいし、ちゃんちゃらおかしいやい・・・。


な〜んて話ばかりで時間を費やしてしまうからイカンのだな〜。
気合を入れ直してダイヤの仕入れの交渉を続ける・・・。


すご〜くイイのがあるんだけんど、ちょびっと高い・・・。


なあ、Tくんよ、ちょびっと負けてくれませんか?
って、僕が言うと、


「江戸ッ子ダロ?値切ルノカ?」って言われた・・・。


だが、そこはB型同士、結構融通がきくので助かる・・・。
感謝だな、やっぱりな・・・。


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何事に於いても感謝が大切。