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昨日記述した夢を見た翌朝、
あまりにもタイミングよくラジオから無縁坂が流れる・・・。
バイオリンの悲しげな旋律と、若い時代のさだまさしさんの唄声・・・。
昨夜見たばかりの夢のBGMさながらに聞こえ、
僕はたまらずラジオのスイッチを切った・・・。
まだ若い母の手を握り締めて懸命に歩いた記憶に、
無縁坂の旋律はあまりにも酷である・・・。
母の手を握り締めて懸命に歩きながら、
幼児だった僕は母の顔を見上げられずにいた・・・。
離さぬように握りしめている母の手が、な、
もしも母の手じゃなかったらどうしよう!って思っていたんだ・・・。
それはきっと、
僕が弱虫なのだという証拠のような気がする・・・。
たとえきっと懸命に足早に歩きながら握りしめた手が母の手ではなかったとしても、
僕は見上げ、確かめるべきだったのかもしれない・・・。
確かめたその顔が母じゃなくって、たとえ鬼であったとしても、ね、
僕は、確かめるべきだったのではないかと今になって思う・・・。
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懸命になって歩き続けた先にいたのが祖母であった・・・。
その祖母の笑顔を見た時の嬉しさはたとえようがない・・・。
祖母は母を抱きとめるように迎え、
母の背中の弟の背負い紐をほどき、しっかりとその手に抱いた・・・。
その瞬間の安堵を語る言葉を僕は持たない・・・。
それほどの大きく優しい安堵であった・・・。
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無縁坂・・・。