チックタック・チックタック

居間に掛けてある大きな時計・・・。
我が家の居間に今、掛けてある大きな時計・・・。
のっぽでもなければ古くもない、
ただの丸い大きな時計・・・。


何事も迅速に行動しようと心がけ、
我が家では家族全員が見るその時計を、
わざと5分進めてある・・・。


そうすればない。
遅刻はない。
それが我が家の知恵である・・・。


だが、それを知っているのは僕とカミさんと娘だけだったんだな。
息子はそれを知らなかったんだな・・・。


先日、僕とカミさんと娘が不在の折、
一人で家で勉強をしていた息子が気付いたんだな、
時計が5分進んでいる事に・・・。


そして息子は直したんだな、
時計を、正確な時刻に・・・。


今度は逆に、時計が正確な時間に戻っている事を、
僕とカミさんと娘は知らなかったんだな・・・。


朝は5分が貴重だ。
「うわっ、もうこんな時間か!」って、思う事しばしば。
だが、
「へへん、大丈夫、実は5分のゆとりがあるんだもんね。」って、
それが結構心の支えになっていたんだな・・・。


チックタック・チックタック
チックタック・チックタック


息子が時計を正確な時間に合わせた翌朝、
僕もカミさんも娘も5分のゆとりを持って過ごしたんだ・・・。
否、ゆとりを持って過ごしちゃったんだ・・・。


チックタック・チックタック
チックタック・チックタック


大変だった・・・。