そうだよね、そうそう、
そうだよね、そうそう、ごめんごめん・・・。


大杉勝男さんを語るのなら、ね、
そうそう、張本勲さんを語らなくてはならないね・・・。


日曜日の朝のテレビのワイドショーで、さ、
「喝!」ってやってるあのオジサンが張本さんだ・・・。


1940年、
昭和15年生まれの、今年71歳になる職人だよ・・・。


そう、張本勲さんほど、ね、
「職人」という言葉がピッタリとはまる野球選手を僕は知らない・・・。


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ファイターズ(フライヤーズ)から、その職人は我が巨人軍に来た・・・。
背番号は「10」
黒い手袋で左打席に立つ姿は、己の仕事を誇りとする職人そのものだった・・・。


「3番、レフト張本・・・。」
「4番、ファースト王・・・。」


ちなみに、
「5番、センター末次・・・。」


おおっ、記述しながら感動をしてしまうよ・・・。
僕は、そんなジャイアンツが大好きな子供だった・・・。


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大きな記録で脚光を浴びるのは王選手だったのだけれど、
そんな王選手の一番近くでバンザイをしている張本さんが好きだったな・・・。


華々しく脚光を浴びる事は無かったのだけれど、
その近くで、ね、
いぶし銀のようにギラギラしていた張本さんは格好良かった・・・。


職人だよ、職人・・・。
職人とは、そんな男たちの事・・・。


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小さな頃の火傷が原因で、
張本さんは手が御不自由なのだとは知っていた・・・。


1945年8月6日、ヒロシマ・・・。


核に対して張本さんが怒りの声を上げたのは一昨年の事だ・・・。



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大杉勝男さんが好きだ。


でも、大杉さんを語る以上は張本さんについても語らなければなるまい。


2011年、フクシマ・・・。


「私は長生き出来ますか?」
そんな言葉を文字にした福島県の女の子がいる・・・。
その手書きの文字は悲しく、僕らの胸をえぐる・・・。


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とりとめのない記述で恐縮。


だが、核に対する張本さんの怒りは、
怒りだけではなくて大きな優しさであって、


その福島の小さな女の子を抱きしめているように思えてならない。


ノー モア ニュークス


張本さんはもう一度必ず打席に立つ。


僕は、そんな気がする。