お昼、ラーメン屋さんに入り、
僕はタンメンを注文したのだけれど、坦々麺が運ばれて来た・・・。
おばさんが淡々と坦々麺を運んで来た・・・。


たぶん、僕の注文が悪かったのだろうな〜、
致し方あるまいと坦々麺を食べた・・・。
淡々とな・・・。


すると、おばさんは今度、他のお客さんにタンメンを運んで来た・・・。


「あれ?ワタシは坦々麺を頼んだんですけど。」と、
そのお客さんは言った・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


珍しい事もあるもんだ。


タンメンを頼んだ僕に坦々麺が来て、
坦々麺を頼んだ人にタンメンが来た。


まさに人類は麺類だと言えよう・・・。


しかし、坦々麺もなかなか美味い。
辛すぎぬ濃厚なスープがなかなかよろしい・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あの、お客さん、タンメンを注文なさいました?」と、
おばさんは僕に聞いた・・・。


う〜む、僕の注文は正しかったのだ。


おばさんに迷惑が掛かってしまってはいけないと思い、
僕は黙って坦々麺を食べたのだけれど、
「頼んだのはタンメンです。」と正直に言うべきだったのであろうか?


この状況の元凶は僕か?僕なのか?


おばさんのパート代からタンメン分が引かれちゃったら僕は悪人になっちまうぞ!
どうしよう!同志よ!


人生とは、かくも難しき問いの連続なり・・・。


ここはひとつ、潔くタンメンを僕が引き取り、
二杯食べるべきであろう・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その時、
「じゃあ、タンメンをいただきます。」と、
そのお客さんが言ってくれて、それで一件落着。


男を見た!
久しぶりに僕は男らしい男を見つけた!


人の世は優しさに溢れておるぞい・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


タンメン&坦々麺、
レディース&ジェントル麺!


じゃあ、餃子を追加して下さい。