缶コーヒールンバ

実は僕はロング缶が好きだ。
数多く、それこそ数え切れないほどの種類の缶コーヒーが巷に溢れているのだけれど、
僕は、このポッカのロング缶が一番好きだ。

人それぞれに好みの缶コーヒーあり。
ショート缶のエメマン派の中では抗争が勃発しているほど。


スポーツ新聞&缶コーヒーってのが、な、
コンビニで買い物をするオヤジの定番といえば定番だが、
僕の場合、その缶コーヒーはロング缶だ・・・。


息子が最近ハマっている缶コーヒーがショート缶の「無糖」だと知り、
僕は少々憤りを禁じ得ない。
ものすごくものすごくナマイキじゃねえか?このヤロめ!
あ?ブラックだ?無糖だ?香りが良いだ?
キサマはアラブの偉いお坊さんか!ってな、
言いたいけれど言わない。
たぶん、そんなトコが「甘い親父」だと僕が呼ばれる所以なのだろうな・・・。


正直に申し上げると、やっぱりさ、
一番甘くて美味しいのがポッカのロング缶だと思う。
銭湯の風呂上りに飲むコーヒー牛乳の味を彷彿とさせる懐かしさがある。


ショート缶を飲んでるオヤジの仲間よ、
きっとアナタは相当な無理をしている。
「皆が飲んでいるから」とか、「こっちの方がオトナっぽいから」って理由で、
無意識のうちにショート缶のコーヒーを選んでいないかい?
アナタだってきっと、ロング缶の甘い美味しさを知っている筈だ。
それを隠して頑張ってショート缶を飲んでいるに違いあるまい。
かわいそうに、かわいそうに・・・。


もっともっと自分に正直になろうよ。
無理してオトナになる必要なんてないのさ・・・。
心のままに生きようよ、人間だもの。
分量だって多いしクラノスケだろ?

それは1999年の夏の事だ。
小山ドラゴンズの試合があり東久留米7小の校庭に遠征で伺った折、
敬愛する故・小川監督が財布から千円札を出し、僕に渡しながら言った。
「おい、オトナ皆の分の缶コーヒーを買って来てくれ。」って。


僕は、コーチ連中全員分、ロング缶の缶コーヒーを買った。


「げげっ、何でロング缶?」って、皆は言っていたけれど、
心の中では喜んでいただろうと今でも思う。