基本をおろそかにしてはいけない。

仕事をしている時、
溶接バーナーの先の火花が少々大きく弾けて、
火の粉が一粒、右目の中に入ってしまった。
まったくもって痛恨のミスだ・・・。


溶接作業の基本中の基本、
防護メガネを装着していなかった自分の責任。


そりゃあアンタ、熱いったらないぞ、
なにしろ火の玉(ちっちゃいけれど)が目の中に入っちゃったんだぞ。


ジュジュっとな、目の中で熱さが目頭方向に移動する感覚が気持ち悪かった・・・。
手の平で右目を押さえてカミさんを呼んだ。
「とにかく冷やして!」と、洗面所まで連れて行かれた。
こんな時、ナースなカミさんは心強いです。


すると、
右目を押さえていた僕の手のひらの中から鮮血。
おそらく目から出血をして、その血が掌を伝わりポタポタ・・・。
かなりの出血だったんだよ・・・。


子供の頃から僕は、転んだ痛みでは泣かないのだけれど、
擦りむいた膝小僧の血を見て泣くタイプの男だったからね、
この掌から零れ落ちる流血を見て気が動転ホームランだった・・・。


うわあん、痛いよ、熱いよ!って僕が叫んだ瞬間、
カミさんはガバッと僕の右手を掴んで顔から離した。
そして、真剣な顔で僕の右目をチェックして冷静に言った。


「大丈夫よ、目からの出血じゃなくて鼻血だよ。」と。


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奇跡的な幸運だった。
火の粉は目頭の奥から鼻へと抜けたらしい。
そのための鼻血ブーだったんだね・・・。


だが、一歩間違えたら失明の危機であった・・・。


基本中の基本、
これからは絶対に防護メガネを着用して作業する。
作業へんかく活用なりけり。


まだはだ(鼻)にガーゼを詰めていばず。(います。)