うな重にもドラマあり

生きているウナギの頭を握り、
そんでもって立てかけてあるマナ板に五寸釘で打ちつけるのさ。
ウナギの頭を五寸釘で打ち抜くんだよ・・・。
五寸釘を打つ時、ゴスン!と音がするかどうかは不明だが、
頭部を五寸釘で貫通されてウナギはヒクヒクと苦しむ・・・。
その後、ヒクヒクしながらぶら下がっている絶命寸前のウナギを包丁で裂くんだよ、
それは見事な職人技だと言えよう・・・。


あああ、書いてるだけで恐ろしい光景だが、
悲惨なのは五寸釘を打たれる際、ウナギは悲鳴を上げるんだそうだよ、ピャ〜ッ!って。


「オレの来世はウナギだよ。」
ウナギ職人たちは異口同音にそれを語る。
哀しいほどの覚悟を持った職業人としての誇りをそこに見て僕は感激するのだ。


ピャ〜ッ!と泣くウナギの悲鳴を毎日聞きながら、
やがてウナギ職人たちはウナギのような顔になる。
生き方が顔を作るとは、まさしくこの事だろう・・・。
老舗であればある程、有名店であればある程、店主はウナギ顔だ・・・。
おかみさんもまたウナギ顔だ・・・。


矢沢の永ちゃんのコンサート会場に行くと、
外見が永ちゃんソックリのヒトを多く見掛ける。
それとウナギ職人の顔がウナギにソックリなのは話しとして次元が違う。


ゴスン!
ピャ〜ッ!


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「は〜い、お待ちどうさまっ。」
わ〜い、美味しそう・・・。


じゃ、いただきます!


美味しい「うな重」にもドラマあり・・・。