きになるけ?

地元の2学年上の先輩、Kさんと先日飲んだ。
ああ、もちろん、僕はその日もお酒は飲まず、人間観察に主眼を置いた。


飲み会であれば比較的楽にヨッパライを演じる事が出来るのだが、
サシ(差し向かい)で、しかも相手は先輩でもあるので、
少しずつ少しずつジョッキの中のビールを減らすのは至難の技であった。


どうにか気付かれず、気を遣わせず、Kさんをヨッパライモードに出来た僕はエライ。
自分で自分を褒めてあげたい・・・。


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それぞれポテトサラダを頼み、食べていたのだが、
Kさんが「あれれ?」と言って口の中から毛を出した。
どうやらポテトサラダの中に毛が混入していた模様。


♪この〜毛 何の毛 気になる毛〜
 名前も知らない毛ですから〜♪と、Kさんは唄った。


うんうん、あまりにも楽しそうにKさんが唄うので、
僕はコーラスで参加した。
この毛何の毛気になる毛の、気になる・・・の部分の直後にね、
♪気になる毛〜♪って唄うコーラスさ。


周囲のお客さんたちに気付かれぬように小さな声で、そ〜っと、ね。


しかし音楽は場を和ませる力あり、だな。


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いろいろある。
人間、50年近く生きていればいろいろな事がある。
昔々、Kさんと一緒に世田谷で食べたラーメンには、
焦がしネギにソックリな虫の翅(チャバネちゃん)が入っていたりした。


その時も、また、この時も、
Kさんはお店の人には何も言わなかった。
平然とそれをよけて食べ続けるのである。
まさしく武士の一分、男らしい態度である。
気骨ある先輩を僕は尊敬してやまない。


僕のポテトサラダに入っていなくて良かった。
正直言えばそれが僕の感想なりけりなのだが、
大きなボウルで一度に作っているのだろうから同じ物なりね、きっとね。


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「アルコールで消毒出来ているだろう。」
そう言いつつポテトサラダを食べ、焼酎お湯割りをKさんは飲む。


僕はアルコールを摂取してないので消毒は出来ないのだが、
元々胃腸は頑丈なのでオッケー牧場。