土曜日の午後、
千駄木にある取引先M社を訪れた帰途、
僕は、その小学校の前で静かに手を合わせた。


父親の焼身自殺の巻き添えになった小学野球小僧が練習に励んでいた校庭が見える。


本当になあ、それは胸が潰れて張り裂けるように痛くて悲しい事件であった。


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逝くのなら一人で逝けよ、
どんな事情があったのかは知らないけれど、
子供を連れて逝くな!と、僕は強く思う。


その父親にではなく、その男の子に向けての合掌だ。


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空は抜けるように青く眩しかったけれど、
刺すような冷たい風が強く吹く午後だった。