いわゆる、戦力外通告を受けてプロ野球の世界から解雇された男たちの姿を、
ドキュメンタリー番組っぽく作り上げたバラエティ番組があるでしょ?


そんな番組な、
作るヤツも、出演するヤツも、
それから観るヤツも、あんまりいい趣味じゃねえわな。


「逆境にあってもなお、人生に果敢に立ち向かう元プロ野球選手の姿!」
「それを支える美しい家族愛!」ってかい?


それを観たいかい?
テレビでそれを観たいかい?
あんまりいい趣味じゃねえわな・・・。
よそんちのオニギリの具(中身)を知りたいタイプのヒトなんじゃないか?


「見て見て、
今までスジコのオニギリばかり食べていたあのお宅が、
コンブのオニギリを食べなきゃならなくなっちゃうのよ、かわいそうに。」
な〜んて思いながら観るんだろ?


いい趣味じゃねえな・・・。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


逆境なんかではない。
逆境なんかではなく現況なのだ。
誰もが皆、同じなのだ。


歩んだ道のりがあって、現況があるのだ。
現況から誰もがこれからも歩を進めながら生きていくのだ。


彼らの事なら心配ないのだ。
彼らは力強く生きていくのだ。
だからね、こんな番組を作っちゃいけないのだ。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


僕のオニギリの具はコンブなのだ。
でも今日も力強く生きていくのだ。


僕もまた逆境ではなく現況にあるのだ。


晦日にはカニを食べたいのだ。