仕事でお客さんから、ムーンライトストーンという石について伺い、
我が盟友のインド(ネパールかも?)人宝石商、トゥリくんと共に調べたり探したりしていたのだが、
どうやらそれは手塚治虫先生の漫画に出てくる架空の石であるとの由。
ホッとするやらガッカリするやら、なんとも不思議な気分だ。
トゥリくんにしろ僕にしろ、プロとして知らない石があったとしたらマズイもんな・・・。


それにしてもムーンライトストーンとは、心に残る名前ではある。
ストーリーテラーとしての手塚治虫先生の偉大さをあらためて感じた・・・。


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9月も早や20日を過ぎた。
今年の9月は特に月が綺麗であった。


ムーンストーンが人気だ。
過日写真をアップしたオレンジも人気なのだけれど、
乳白色の石の表面にブルーの光が走るタイプがすごい人気だ。


夜空に浮かぶ月に想いを馳せて、やはり人はシアワセを夢見るものなんだね・・・。


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月の石と言えば、1970年の大阪万博である。
宝石ではなく、本物の月の石が展示されていた。


僕は4歳だったが、どうしてもどうしても月の石が見たくて見たくて、
T教の教会長をしていた母方の祖父が奈良へ参拝するのに同行して、
その帰途、大阪万博へ寄ったのであった。


祖父母と3人で月の石を見るための長蛇の列に並んだのだが、
不覚にも僕は力尽きて寝てしまい、
目覚めたのは新幹線の車中であった。


見に行ったものの見られなかった月の石は、
今でも僕の心の中に幻の石として君臨している・・・。


僕にとってその月の石こそ、ムーンライトストーンではあるまいか?
今は亡き祖父母との大切な思い出の石だ・・・。


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「な〜んだ、コミックの話か、なんて笑わないで下さいね。」と、
件のお客さんは仰った。


もちろん、僕もトゥリくんも笑いはしない。
石の好きな人と話をする事は本当に楽しいものだからね・・・。


人それぞれの心の中に、様々なムーンライトストーンがあるんだろうな。